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放浪息子:11年

本文と関係のない紫陽花ですが、額紫陽花の方を。花言葉は「謙虚」だそうです。
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私は、こっちの方が好きですけどね。ってことで本編です。

放蕩息子は聖書の方。「青い花」と同じ志村貴子さんものです。まず、特筆すべきは、映像の美しさでしょう。原作のイメージを大切にした水彩画調と独特の優しいトーンは大好きですね。

「性同一性もの」などと言ってしまえば、それまでですが、そういうふうに一括りにしてしまうことへのアンチテーゼというか。ジェンダーの問題に限らず「○○は○○であるべき」という規範に違和感を感じているか? とまで広げてしまえば、そういう人は沢山いるのではないでしょうか。

修一くんのように、女の子の服には興味があるのだけれど、交際するのは女の子というような設定は、そういった例示かも。人の心は千差万別。物事、特に「人」を狭い了見で決めつけてはいけない…と思います。

「決めつけ」があるから、あるいは修一くん自身も世の「常識」に縛られているということもあるでしょう。周りの言葉に心が揺れてしまい、自分が何者かを見失う場面があるというふうに私は解釈しました。

仮に自分の「真の心=心の軸」があったとします。でも、それは、自分のことなのに、正確に特定できません。何故なら、見るもの聞くもの、他人の影響… もろもろの外的要因で、自分の主軸が揺れ動くからです。

しかし、リアルでは、できることなら(私の経験上の意見に過ぎませんが)自分の本来の主軸を0とすると-1~1くらいの小幅で揺れ動いているべきだと思います。何らかの外的要因で、-10~10というように振れ幅が大きくなり過ぎるのは、当人にとって幸せなことだとは思いません。

衝撃的な出来事で、大きく主軸を揺らし、その状態で何か決断をするのはいかがなものかと。まぁ、重要な決断をする際には、少し冷静になってということしかないわけですけどね。

私も変な人ですから、小さいころは、いろいろありました。ある日「自分の感性と心は別物」ということに気がついてかなり気が楽になったのを覚えています。わずかながら、自分の主軸の近傍が見えた気がしました。そんな、こんなを思い出させてくるストーリーでした。

もともと、アニメもゲームも私は客観視点で、感情移入しないタイプなのですが、本作品は主観視点が入ってしまい微妙にキツイ。でも、共感できる点も多い良作でした。

その他、面白いと思ったのは…

・女の子の男装はカッコイイとプラスイメージだけど男の子の女装はキモチワルイとマイナスイメージになってしまう場合が多い。これも、男尊女卑の流れというようなことで決めつけたくはないと思います。だって、この場合、男っぽいものが尊いということであって、決して「男」そのものが尊いわけではなくむしろ男と生まれたことが不運なのですから。

・女の子になりたい男の子だったとしても、生まれもった容姿によって、ずいぶん、運命が変わる。マコちゃんの設定は、そうだよねぇ~ と思う。

原作は小学校から始まるのですが、アニメは中学から。折角「可愛い男の子」なのに、ニキビはできてくる変声期を迎えてしまう。第二次性徴期を組み合わせて絶妙のシナリオと言える気がします。

登場人物では、千葉さおりちゃんが大好きなのですが…アニメとコミックで微妙に性格が違う気もしますが、「我がまま」なんかじゃないですよ。一途なだけ。何だか観ていて切なくなっちゃいます。修一のバカやろ~ 何でこたえてやんなの!

「人のことを思っているようで、実は自己中。人のことをよく考えている自分に酔っているだけのナルシスト、自意識過剰」…言いたい放題言われる私ではあるのですが、自己評価は「サービスのS」ないものねだりで、愛するより愛されたい(笑) これくらい強く想われてみたいものですねぇ~今更、ないでしょうけど。って、やっぱり私、変な人?

CVはガンスリ1期のヘンリエッタちゃん、南里侑香さんです。す・て・き。

 #今、コミック14巻大人買いで、読んでますw
by cahlan | 2013-06-10 23:50 | Anime

(c)ことみさん:空色マカロン


by cahlan